トレンド転換の初動で買うルールの成績(底値圏で25日線を上抜けたとき)
下がっていた株が底値圏で25日移動平均線を上抜け、出来高も増えた翌日に買う「トレンド転換初動」のルールを検証しました。前半はプラスでしたが、後半はほぼゼロで、傾向がそろいませんでした。
ルールの内容
「トレンド転換初動」は、下がっていた株が上向きに変わり始めたところで買うルールです。次の条件をすべて満たした日の翌日の始値で買っています。
- 底値圏である(終値が52週安値の1.3倍以内)
- 前日は終値が25日線以下で、当日の終値が25日線を上抜けた
- 当日の出来高が過去20日の平均の2倍以上
条件を加えたもう一つの型
上のルールに、次の2つを加えた型も調べました。この記事では「陽線・飛びつき除外の型」と呼びます。
- 当日が陽線(終値が始値より高い)
- 直近5日の上昇が20%以下(急に上がった後に飛びつく買いを除く)
用語の説明
この記事に出てくる言葉を説明します。
- 52週安値:過去1年でいちばん安い値段です。「1.3倍以内」は、そこから30%以内しか上がっていない状態を指します
- 25日線の上抜け:終値が25日線より下にあった株が、25日線より上で終わることです
- 出来高:その日に売買が成立した株数です
- 陽線:終値が始値より高く終わった日のことです
- R倍数:損益を、最初の損切り幅で割った数字です
結果(−5%固定の損切り)
トレンド転換初動の型(1,418回)の成績です。
- 勝率:39.4%
- 1回あたりの平均損益:+0.34%(コスト控除後)。コストを引く前は+0.64%
- 中央値:−1.50%
- 平均の保有日数:15.8日
- R倍数の平均:+0.13
前半・後半の詳しい数字
前半はプラスでしたが、後半はほぼゼロでした(コスト控除後)。
- トレンド転換初動・前半(805回):+0.60%、勝率38.6%、保有17.5日
- トレンド転換初動・後半(613回):−0.00%、勝率40.3%、保有13.6日
- 陽線・飛びつき除外の型・全体(1,212回):+0.35%、勝率39.1%
- 陽線・飛びつき除外の型・前半(696回):+0.61%
- 陽線・飛びつき除外の型・後半(516回):+0.00%
損切りを変えた場合
損切りの決め方を変えると、成績はさらに下がりました(コスト控除後)。
- ATR×2:トレンド転換初動 +0.12%(前半 +0.20%/後半 +0.01%)
- ATR×2:陽線・飛びつき除外の型 +0.15%(前半 +0.27%/後半 +0.00%)
- ATR×2+25日線割れ:トレンド転換初動 −0.17%(前半 −0.16%/後半 −0.18%)
- ATR×2+25日線割れ:陽線・飛びつき除外の型 −0.13%(前半 −0.08%/後半 −0.21%)
値動きの大きさ別
トレンド転換初動(−5%固定)を、ATR(1日の値動きの大きさ)で分けた数字です(コスト控除後)。
- ATR 0〜3%:+0.45%(1,034回、勝率41.7%、保有19.0日)
- ATR 3〜5%:+0.22%(306回、勝率34.6%、保有8.0日)
- ATR 5〜8%:−0.18%(63回、勝率27.0%、保有4.4日)
- ATR 8%以上:−3.05%(15回、勝率26.7%、保有4.1日)
読み取れること
同じ期間・同じ損切り(−5%固定)で比べると、高値ブレイクは+0.65%、押し目買いは+0.66%でした。トレンド転換初動は+0.34%で、2つの型より低い結果でした。
前半はプラス、後半はほぼゼロだったため、この型の成績は「傾向がそろわなかった」と考えています。陽線や飛びつき除外の条件を加えても、全体の成績はほとんど変わりませんでした。
注意点・この結果から言えないこと
回数は約2年で1,400回あまりと、ほかの型に比べて少なめです。特にATR 5%以上の区分は回数が少なく、数字が大きくぶれやすい点に注意が必要です。また、地合い別では、ATR×2の損切りで地合いが悪いときに+1.20%(328回)と高い数字も出ていますが、前半・後半に分けた集計はなく、偶然の可能性があります。
実際に使うときの考え方
底値からの反転をねらう方法は、うまくいけば大きな上昇をとらえられる一方で、反転に失敗することも多い方法です。過去のデータでは、少なくともこの条件の組み合わせでは、ほかの型ほどの成績にはなりませんでした。
地合い別の数字
−5%固定の損切りで、地合い(TOPIXが25日線より上か下か)別に見た数字です(コスト控除後)。
- トレンド転換初動:地合いがよい +0.34%(1,097回)/悪い +0.33%(321回)
- 陽線・飛びつき除外の型:地合いがよい +0.46%(954回)/悪い −0.06%(258回)
※出典:運営者のバックテスト(型別の比較)。期間は2024年10月〜2026年9月、往復0.3%の取引コストを差し引いた数字です。この記事は過去のデータで売買ルールを試した結果であり、将来の成績を保証するものではありません。特定の銘柄の売買をすすめるものではなく、投資の判断はご自身の責任で行ってください。