翌日の始値で買うか、指値で待つか(買い方のタイミングの比較)
シグナルが出た翌日の始値ですぐ買う方法と、少し安い値段に指値を出して待つ方法で、成績を比べました。指値で待つと1回あたりの成績はよくなりますが、約定しない分、全体の利益は小さくなっていました。
比べた買い方
同じシグナルに対して、買い方だけを変えて比べました。
- A:翌日の始値で買う(基準)
- B1:少し安い値段に指値を出し、翌日1日だけ待つ(約定しなければ見送り)
- B5:同じ指値を5営業日出し続ける
用語の説明
この記事に出てくる言葉を説明します。
- 指値:「この値段以下なら買う」と値段を決めて出す注文です
- 逆指値:「この値段以上になったら買う」と決めて出す注文です。上がったことを確認してから買うときに使います
- 約定:注文が成立して、実際に売買できたことです
- 約定率:出した注文のうち、約定した割合です
- シグナル1件あたりの期待値:約定しなかったシグナルを0%として、すべてのシグナルで平均した損益です。買い逃しの影響も含めて比べるための数字です
高値ブレイクの場合
約定した売買の1回あたりの成績と、シグナル1件あたりの期待値(約定しなかったシグナルを0%として平均)を比べています。どちらもコスト控除後です。
- A:約定100%、1回あたり +1.09%、シグナル1件あたり +1.09%
- B1:約定20.6%、1回あたり +1.48%、シグナル1件あたり +0.31%
- B5:約定34.7%、1回あたり +1.40%、シグナル1件あたり +0.49%
押し目買いの場合
こちらもコスト控除後の数字です。
- A:約定100%、1回あたり +0.91%、シグナル1件あたり +0.91%
- B1:約定48.9%、1回あたり +0.94%、シグナル1件あたり +0.46%
- B5:約定72.6%、1回あたり +0.98%、シグナル1件あたり +0.71%
前半・後半の詳しい数字
シグナル1件あたりの期待値を、前半と後半に分けました(コスト控除後)。
- 高値ブレイク・A:前半 +0.664%/後半 +1.377%
- 高値ブレイク・B1:前半 +0.169%/後半 +0.399%
- 高値ブレイク・B5:前半 +0.274%/後半 +0.631%
- 押し目買い・A:前半 +0.885%/後半 +0.939%
- 押し目買い・B1:前半 +0.391%/後半 +0.513%
- 押し目買い・B5:前半 +0.587%/後半 +0.813%
読み取れること
指値で待つと、安く買えた分、約定した売買の成績はよくなりました。一方で、高値ブレイクでは約定が2〜3割にとどまり、そのまま上がっていった銘柄を買い逃していました。シグナル1件あたりで見ると、どちらの買い方でも「翌日の始値ですぐ買う」方が大きい結果でした。
この順番(A、B5、B1の順に大きい)は、高値ブレイク・押し目買いとも、前半・後半の両方でそろっていました。
なお、この比較では買い方どうしを公平に比べるため、保有中の重ね買いを制限していません。そのため、ほかの記事の数字とは一致しません。
逆指値で約定した売買
B5の約定を注文の種類で分けると、高値ブレイクでは指値での約定が10,340回(1回あたり+1.41%)、逆指値での約定が41回(1回あたり−0.20%)でした。逆指値は回数が少なく、この数字だけでよしあしは判断できません。押し目買いでは、逆指値での約定はありませんでした。
注意点・この結果から言えないこと
この検証では、約定した日に安値が損切りの値段を下回っていれば、その日に損切りになったとみなしています。実際より厳しめの扱いです。また、指値の値段は運営者のツールが計算したもので、別の値段の決め方では結果が変わる可能性があります。
実際に使うときの考え方
「安く買う」ことと「買い逃さない」ことは、どちらかを取るともう一方が減る関係にあります。1回ごとの成績を見るか、シグナル全体での成績を見るかで、評価が変わる点に注意が必要です。
地合い別に見ると
シグナル1件あたりの期待値を、地合い(TOPIXが25日線より上か下か)で分けました(コスト控除後)。
- 高値ブレイク・A:地合いがよい +1.081%/悪い +1.147%
- 高値ブレイク・B5:地合いがよい +0.486%/悪い +0.492%
- 押し目買い・A:地合いがよい +1.094%/悪い +0.229%
- 押し目買い・B5:地合いがよい +0.832%/悪い +0.244%
地合いが悪いときの押し目買い
ほとんどの区分では「翌日の始値で買う」方が大きい数字でしたが、押し目買いで地合いが悪いときだけは、B5(+0.244%)がA(+0.229%)をわずかに上回りました。差はごく小さく、地合い別には前半・後半に分けた集計もないため、傾向とまでは言えません。
※出典:運営者のバックテスト(購入タイミングの検証)。期間は2024年10月〜2026年9月、往復0.3%の取引コストを差し引いた数字です。この記事は過去のデータで売買ルールを試した結果であり、将来の成績を保証するものではありません。特定の銘柄の売買をすすめるものではなく、投資の判断はご自身の責任で行ってください。