相場全体が弱いとき(地合いが悪いとき)に買うと成績は変わるか
相場全体の調子(地合い)を、TOPIXが25日移動平均線より上か下かで分け、高値ブレイクと押し目買いの成績を比べました。押し目買いは、地合いが悪いときの成績がほぼゼロになっていました。
地合いの分け方
「地合い」は、相場全体の雰囲気や調子を表す言葉です。この記事では、東証の代表的な指数であるTOPIXが、シグナル日に25日線より上にあれば「地合いがよい」、下にあれば「地合いが悪い」としました。
用語の説明
この記事に出てくる言葉を説明します。
- TOPIX:東京証券取引所に上場する銘柄全体の動きを表す株価指数です
- 25日線:過去25日の終値の平均をつないだ線です。指数がこの線より上にあれば、短い期間では上向きの流れと考えられます
- −5%固定:買値から5%下がったら売り、上がったら最高終値の5%下まで損切りを引き上げる方法です
- ATR×2:1日の値動きの大きさ(ATR)の2倍を損切りの幅にする方法です
結果
1回あたりの平均損益(コスト控除後、−5%固定の損切り)です。
- 高値ブレイク:地合いがよい +0.69%(5,889回)/悪い +0.44%(914回)
- 押し目買い:地合いがよい +0.88%(7,838回)/悪い −0.06%(2,360回)
勝率と保有日数
同じ取引の勝率と保有日数です。
- 高値ブレイク:勝率 39.1%(よい)/39.3%(悪い)、保有 13.5日/12.3日
- 押し目買い:勝率 38.9%(よい)/36.8%(悪い)、保有 14.6日/12.3日
損切りを変えても同じだったか
損切りをATR×2にした場合も、押し目買いは地合いが悪いときにマイナスでした(コスト控除後)。
- 高値ブレイク・ATR×2:よい +0.52%/悪い +0.19%
- 押し目買い・ATR×2:よい +0.67%/悪い −0.16%
- 押し目買い(ATRの条件なし)・−5%固定:よい +0.75%/悪い −0.05%
地合いで絞ったルールの比較
ルール別の比較では、高値ブレイクのルールに「TOPIXが25日線より上の日だけ」という条件を加えたものも調べました。−5%固定の損切りで、条件なしが+0.65%(6,803回)、条件ありが+0.66%(6,358回)でした(コスト控除後)。前半はどちらも+0.44%、後半はどちらも+0.80%で、ほとんど差はありませんでした。
読み取れること
高値ブレイクは、地合いが悪いときでもプラスを保っていました。そもそも地合いが悪いときに52週高値を更新する銘柄は少なく、回数は全体の1割強でした。
押し目買いは、地合いが悪いときの成績がほぼゼロでした。相場全体が下がっているときは、「一時的な下げ」のつもりで買っても、そのまま下がり続けることが多かったと考えられます。過去のデータでは、押し目買いの成績と地合いの関係が大きかったと言えます。
注意点・この結果から言えないこと
地合い別の数字は、前半と後半に分けた集計がありません。そのため、「傾向あり」とまでは確かめられていません。また、購入タイミングの検証(数え方が違う集計)では、押し目買いの1回あたりが地合いがよい +1.09%、悪い +0.23%でした。プラスかマイナスかは集計によって違いますが、地合いが悪い方が低いという向きは同じでした。
実際に使うときの考え方
地合いの判断方法はほかにもあり、ここではTOPIXと25日線というひとつの目安だけを使っています。買い方の型によって、地合いの影響の受け方が違った点は、ルールを考えるうえでの材料になると考えられます。
購入タイミングの検証での地合い別
数え方の違う購入タイミングの検証でも、翌日の始値で買った場合を地合い別に見ています(コスト控除後、1回あたり)。
- 高値ブレイク:地合いがよい +1.08%(26,662件)/悪い +1.15%(3,275件)
- 押し目買い:地合いがよい +1.09%(22,935件)/悪い +0.23%(6,011件)
トレンド転換初動では
底値圏からの反転を買うトレンド転換初動(−5%固定)では、地合いがよいときが+0.34%(1,097回)、悪いときが+0.33%(321回)で、ほとんど差がありませんでした(コスト控除後)。買い方の型によって、地合いの影響の受け方がかなり違っていたことになります。
数字の見方
地合いが悪い日のシグナルは、高値ブレイクでは全体の1割強、押し目買い(ATR5%未満)では2,360回と全体の2割強でした。押し目買いは、相場全体が下がった日にも「25日線まで下がった」という条件を満たしやすいため、地合いの悪い日のシグナルが多くなったと考えられます。
※出典:運営者のバックテスト(型別の比較、ルール別の比較、購入タイミングの検証)。期間は2024年10月〜2026年9月、往復0.3%の取引コストを差し引いた数字です。この記事は過去のデータで売買ルールを試した結果であり、将来の成績を保証するものではありません。特定の銘柄の売買をすすめるものではなく、投資の判断はご自身の責任で行ってください。