TOPIXより強い株を買うと成績はよいか(対TOPIX強さの効き目)
3か月の値上がり率がTOPIXをどれだけ上回っていたかで3つに分け、高値ブレイクと押し目買いの成績を比べました。どちらも「強い株ほどよい」という結果にはなりませんでした。
調べたこと
株の3か月の値上がり率から、TOPIXの3か月の値上がり率を引いた数字を「対TOPIX強さ」としました。相場全体と比べて、どれだけ強く上がっていたかを表します。シグナルを件数が同じになるよう「下(弱い)・中・上(強い)」の3つに分けて比べました。
用語の説明
この記事に出てくる言葉を説明します。
- TOPIX:東証に上場する銘柄全体の動きを表す株価指数です
- 対TOPIX強さ:株の3か月の値上がり率−TOPIXの3か月の値上がり率です。単位はポイントです
- ポイント:%どうしの差を表す単位です。株が15%、TOPIXが5%上がっていれば、10ポイントになります
- 採用候補:前半・後半とも同じ向きに0.3ポイント以上の差があり、各区分が300件以上あるものです
高値ブレイクの場合
区切りは6.35ポイントと18.53ポイントです。1回あたりの平均損益(コスト控除後)です。
- 下(6.35ポイント未満):+1.22%(前半 +0.63%・585回/後半 +1.42%・1,693回)
- 中:+0.50%(前半 +0.66%/後半 +0.39%)
- 上(18.53ポイント以上):+0.33%(前半 +0.39%・1,106回/後半 +0.28%・1,173回)
- 上−下:前半 −0.25ポイント/後半 −1.14ポイント
押し目買いの場合
区切りは2.13ポイントと12.38ポイントです。1回あたりの平均損益(コスト控除後)です。
- 下(2.13ポイント未満):+1.04%(前半 +1.01%/後半 +1.05%)
- 中:+0.31%(前半 +0.41%/後半 +0.24%)
- 上(12.38ポイント以上):+0.56%(前半 +0.99%/後半 +0.16%)
- 上−下:前半 −0.02ポイント/後半 −0.89ポイント
読み取れること
高値ブレイクでは、前半・後半とも「強い株」の方が成績が低く、向きはそろっていました。ただ、前半の差は0.25ポイントで基準の0.3ポイントに届かなかったため、「傾向あり」とはしていません。
押し目買いでは、前半はほとんど差がなく(−0.02ポイント)、後半だけ強い株の成績が低くなっていました。こちらも傾向がそろわなかった結果です。
高値ブレイクの「下」の区分は、前半が585回、後半が1,693回と、期間によって回数が大きく違いました。区分の中身が期間によって偏っている点も、結果を読むときの注意点です。
最初のルールでも差は小さかった
最初の検証では、「3か月の値上がり率がTOPIXより10ポイント以上高い」という条件の有無で比べています。コスト控除前の平均で、条件を満たした取引は+0.42%、満たさない取引は+0.40%で、ほとんど差がありませんでした。
注意点・この結果から言えないこと
この検証は、件数の数え方が型別の比較と少し違い、平均はコスト控除後の数字です。また、5つの条件を同時に試しているため、偶然の差が混ざる可能性があります。「強い株を買う方がよい」とも「弱い株を買う方がよい」とも、この結果からは言えません。
実際に使うときの考え方
相場全体より強い株は注目されやすいですが、すでに大きく上がった後である場合もあります。過去のデータでは、強さだけで成績のよしあしは分かれませんでした。ほかの条件と合わせて考える目安のひとつと言えます。
勝率で見ると
勝率でも、強い株ほど高いという結果にはなりませんでした。
- 高値ブレイク:下 41.3%/中 39.0%/上 37.8%
- 高値ブレイクの前半:下 38.5%/上 37.3%
- 高値ブレイクの後半:下 42.2%/上 38.2%
- 押し目買い:下 39.7%/中 37.1%/上 37.9%
数字の見方
区切りの数字は、高値ブレイクと押し目買いで違います。高値ブレイクは18.53ポイント以上が「上」でしたが、押し目買いは12.38ポイント以上が「上」でした。高値を更新する株は、もともと相場全体より強く上がっていることが多いためと考えられます。
判定の基準について
この検証では、「上」と「下」の差が前半・後半とも同じ向きに0.3ポイント以上あり、各区分が前半・後半とも300件以上あるものを採用候補としました。対TOPIX強さは、高値ブレイク・押し目買いのどちらも基準を満たさず、見送りとしています。
※出典:運営者のバックテスト(条件で候補を絞れるかの検証)。期間は2024年10月〜2026年9月、往復0.3%の取引コストを差し引いた数字です(最初の検証の数字のみコスト控除前)。この記事は過去のデータで売買ルールを試した結果であり、将来の成績を保証するものではありません。特定の銘柄の売買をすすめるものではなく、投資の判断はご自身の責任で行ってください。