52週高値ブレイクで買うルールの成績(6,803回の売買)
株価が過去1年の最高値を更新した翌日に買う「52週高値ブレイク」のルールを、約2年分のデータで検証した結果です。勝率、1回あたりの平均損益、前半と後半の違いを紹介します。
ルールの内容
「52週高値ブレイク」は、株価が過去1年(52週)でいちばん高い値段を超えたときに買うルールです。高値を更新した銘柄は、その後も上がり続けることがある、という考え方にもとづいています。
ただし、急に上がりすぎた銘柄は反落しやすいため、次の条件も加えています。
- 終値が25日移動平均線(過去25日の平均の株価)から15%以上離れていない
- 直近5日で20%以上上がっていない
- 1日の値動きの大きさ(ATR)が株価の5%未満
用語の説明
このルールに出てくる言葉を説明します。
- 52週高値:過去1年でいちばん高い値段です。これを超えることを「ブレイク」と呼んでいます
- 25日線:過去25日の終値の平均をつないだ線です。株価の短い期間の流れを表します
- 25日線からの離れ具合(乖離):終値が25日線より何%上にあるかです。大きいほど、短い期間で急に上がったことを表します
- ATR:1日の値動きの大きさの平均です。株価の5%未満に限ることで、値動きの荒い銘柄を除いています
- 中央値:損益を順に並べたときの真ん中の売買の損益です
結果
約2年間で、このルールで買った回数は6,803回でした。損切りは「−5%固定」(買値から5%下がったら売り、上がったら最高終値の5%下まで引き上げる方法)です。
- 勝率:39.1%(勝った売買の割合)
- 1回あたりの平均損益:+0.65%(コスト控除後)。コストを引く前は+0.95%
- 中央値:−1.83%(真ん中の売買の損益)
- 平均の保有日数:13.3日
- R倍数の平均:+0.19
前半と後半の詳しい数字
期間を前半と後半に分けても、どちらもプラスでした。後半の方が、回数も成績も上回っています。
- 前半(2,743回):勝率38.4%、1回あたり +0.44%(コスト控除後)、中央値−1.98%、保有16.0日
- 後半(4,060回):勝率39.6%、1回あたり +0.80%(コスト控除後)、中央値−1.70%、保有11.5日
- R倍数の平均:前半 +0.15/後半 +0.22
数字の見方
ルール別の比較では、このルールで買った回数は1か月あたり283件でした(前半は月114件、後半は月169件)。最初に検証した、4つの条件のうち2つを満たせば買うルールは月1457件だったので、条件を絞ったことで回数は大きく減っています。
R倍数は、損益を最初の損切り幅で割った数字です。−5%固定の損切りでは、最初の損切り幅が5%なので、+0.19は「1回あたり、損切り幅の約0.19倍の利益」という意味になります。
読み取れること
勝率は4割弱で、半分以上の売買は負けています。中央値もマイナスです。それでも平均がプラスになるのは、損切りで負けを小さく抑え、上がったときは利益を伸ばしているためです。この仕組みは「勝率が4割でもプラスになる理由」の記事で詳しく説明しています。
1回あたり+0.65%は小さく見えますが、平均の保有日数は約2週間です。ただし、これは過去のデータでの結果で、同じ成績が今後も続くとは限りません。
注意点・この結果から言えないこと
この結果から、次のことまでは言えません。
- 検証した約2年間は、相場全体が上がっていた時期を多く含んでいる可能性があり、下げ相場で同じ成績になるとは限らない
- 回数の多い平均の成績であり、1回ずつの売買では大きく負けることもある
- 実際の売買では、損切りの値段で売れないことや、気配が飛んで約定できないことがある
実際に使うときの考え方
このルールは、勝ちより負けの回数の方が多い前提で作られています。数回続けて負けることはよくあることなので、検証の数字は「多くの回数を重ねたときの平均」として見るのが自然です。
また、地合いや損切りの決め方を変えたときの成績は、別の記事で紹介しています。ひとつの数字だけで判断せず、条件を変えたときの結果もあわせて確かめることが大切です。
地合いと損切りを変えたとき
同じ買い方で条件を変えた数字もあります(いずれもコスト控除後)。地合いがよいとき(TOPIXが25日線より上)は+0.69%(5,889回)、悪いときは+0.44%(914回)でした。損切りをATR×2にすると+0.48%(前半 +0.37%/後半 +0.56%)でした。
どの条件でもプラスでしたが、比べた損切りの方法の中では、−5%固定がいちばん高い数字でした。詳しくは、地合いの記事と損切りの記事で紹介しています。
※出典:運営者のバックテスト(型別の比較、ルール別の比較、−5%固定の損切り)。期間は2024年10月〜2026年9月、往復0.3%の取引コストを差し引いた数字です。この記事は過去のデータで売買ルールを試した結果であり、将来の成績を保証するものではありません。特定の銘柄の売買をすすめるものではなく、投資の判断はご自身の責任で行ってください。